The Cult Of Donandar

harmony ドナンダー 

吟遊詩人と語り部の神

  1. 神話と歴史
  2.  ドナンダーは天宮の神々の調和の女神、ハラーナ・イロールの息子として生まれた。母神と同様に彼も音楽家であり、語り部であった。若い頃、彼は知識の光の女神を間において、ランカー・マイの最大のライバルであった。神話では彼の女神がどの神を愛したかは記されていないが、もしかすると両神を愛したのかも知れない。二神はライバルでありながら、友でもあり続け、楽しげにスパイクの土手の上で話を交わした。
     オーランスがイェルムを殺したとき、ドナンダーとランカー・マイには、世界から知識が失われ、知られざる奇妙なものが世界に侵入していることが明らかになった。彼らは知識を守ろうとすることで同意した。ドナンダーは「私達はどのようにすべきだろうか?」と言った。ランカー・マイは応えて言った。「我らはすべてを学び、保護し、秘密にし、守らなければならない。」「しかし」ドナンダーは言った。「もし私達が殺されたら? 私達はすべてを学び、聞こうとするものに話すべきではないか。その時こそ、常に誰もが答えを知っていることになるだろう。」「しかし誰が問いを知ろうか?」 これが彼らの最初のもっとも重大な論争であった。
     ドナンダーは暗黒期の間、大いに旅をし、出会った全てのものと話を交えた。彼は戦士ではなかったが偉大な多くの闘争の証人となり、しばしば戦士達に彼らの敵を打ち破る方法を語った。彼はカイガー・リートールに会い、彼女の宮殿に滞在しそこで彼女の知識の多くを学んだ。彼が鉛の城を離れたときには、トロール達の混沌に対する英雄的な行為の話──トロールを怪物の一種だと思っていた他の混沌と戦う者たちの心を和らげるに充分な話─ ─を語れるようになっていた。ウロックス──またの名をストーム・ブル── はこの方法で未来の友、ゾラーク・ゾラーンの事を聞いた。
     ドナンダーはティエン── のちのサナター──から知識の光の女神を守るための方法を求めたが、失敗し、彼女を失った。ランカー・マイはこのことにより彼を責め、彼らの関係はより悪くなった。とどめはランカー・マイが、ドナンダーが他人に話してしまうという恐れから、ランカー・マイの秘密 ── すなわち知識−を話すことを拒絶したことであった。そのため、その時からドナンダーは新しい話を交換する際を除いて、ランカー・マイと話をすることを拒否した。この二神── 一度は友であった二神は仲間割れをして、二度とその関係が戻ることはなかった。
     「曙」後、ドナンダーのカルトは広範に広がったが、大きなものではなかった。彼の信者は旅人であり、吟遊詩人であり、吟遊楽人であり、また他の全ての形態のエンターティナーでもあったが、常に心は語り部であった。ときどき迫害されることもあったが、彼らはほとんどの場所で常に歓迎される事もあり、滅びることはなかった。ドナンダーは死後について少しだけ約束している。彼の信者は人生において彼らが同じ役目を果たしていることを知っている。葬儀は地方の風習に従って行われるが、その後常に死者の最良の話を語り、次の世代によって記憶されるという通夜が含まれている。
     ドナンダーは「調和」と「真実」のルーンを有している。

  3. カルトの生態
  4.  ドナンダーのカルトは常に社会の周辺に存在し、彼らの行くほとんどのところで歓迎される。彼らは忘れられるには有益すぎる機能を成し遂げる;遠方の地の話を語り、地方の支配者の名声を高めるのである。彼らは時々スパイとして扱われるが、そのことはカルトの怒りを被るために非常に危険なこととなっている。《真実告知》を所有しているドナンダーの司祭は誰であれ地方の支配者の名声を手入れできる(ごまかせる?)範囲を超えてダメージを与えることが可能であり、このことにより彼らは通常注意を払われている。
     ドナンダーの信者がグローランサのエンターティナーの全てを構成しているわけではないが、彼らの多くはドナンダーにいくばくかの敬意を払っている。このカルトの組織は彼らを受け入れるよい聴衆と彼らの労苦と引き替えによい払いをする場所へ旅をするエンターティナー達の間に生じている。
     カルトの主な嫌われていることはそれらのために秘密を守るようなことである;ランカー・マイはこの分類に分かれる。ドナンダーのエンターティナーはもし彼らに可能ならば秘密を暴くことを常に行おうとする。彼らは良い話しに対して適当な代価を支払わないような人をも自然と嫌っており、彼らの話をすることでそのような個人を責めたてる。
     ドナンダーの大聖日は「嵐の季」「真実の週」「風の日」であり、そしてこの日には全ての語り部とエンターティナーが彼らはできる限り処理してその地方の知識の寺院に秘密裏に自由な上演を催すために存在する(彼らは公式にはランカー・マイの徒弟が概して記録を取るために群衆に混ざっていることを認めていない)。各季節の「真実の週」と「調和の週」の全ての日は聖祝日である。

  5. 世界におけるカルト
  6.  ドナンダーのカルトは小さいものである。この神は語り部や吟遊詩人、他の形態のエンターティナー達に信仰されているが、全てのエンターティナーが信者な訳ではない。神殿は社より大きいものは稀であるが、例外的にある中心的な祭り、エンターティナー達が他の目的で集まるときには神殿は大きくなる。ドナンダーにとって特に神聖であるといった場所はないけれども、話によると彼にとって神聖であると語られる所はある。それは時々彼が見るためにその場所にいて、もし最初のものが充分良いとなったら次の話を提供するといわれている。
     いくつかの社は固定されているが、司祭と共に旅をするものもある。社では歴史を教えている。
     カルトには正式な組織は存在しない。信者たちは良いまたは悪い聴衆に関する情報を常に交換しているが、誰も他のものにどこかへ行けと強制されることはない。しばしば司祭は自分の周りにエンターティナーの一団を形成することがあるが、その一座の組織はもっぱら彼の私事である(神殿やカルトとは関係がない)。

  7. 入信者
  8.  あなたはドナンダーを信仰しなくてもエンターティナーであることはできるが、彼のカルトに入信することは人生のこの道において誓約の印である。候補者はいくつかのやり方で楽しませることを通じて生計を立てねばならず、彼を入信させることを進んで行なう司祭を見つけ、〈雄弁〉とその他3つの面白いことに使える技能をチェックし、1ポイントのPOWを捧げなければならない。技能は実際上面白い系の技能であるかどうかは関係なく、決定する司祭の気持ちしだいである。
     ドナンダーは(仕事をする時間を越えて)時間の制約を要求せず、各季節の「真実の週」と「調和の週」に得た収入の10%を要求するだけである。そのような週には毎日1ポイントのマジックポイントを捧げなければならない。
     利益はわずかである。入信者はもし困難な状況であれば、司祭の元へいき、隠れ家と生きるに充分な食料を要求できるが、食料は貧しいものであるし、そのような場所で司祭が見つかるということは易しいことではない。信者たちはお互いにお金のために(?often on a quid pro quo basis)技能を教えあうことはほとんど稀で 、常に話を交換をしなければならない。信者は常に互いに新しい話をしなければならず、しばしば必要以上のことを語る。彼が本当に聞きたいと思っている話の他に話をする前に彼が聞く必要がないと思ったどのような話も話をする必要はない。
     入信者は神聖介入やルーン魔法を通常通り要求することができる。精霊魔術はなんら教えていないが、禁じているわけではない。

  9. 司祭
  10.  ドナンダーの司祭は彼らの技芸の究極の名人で最良である。彼らはただフロアショーのだからというだけで波止場に飛び込み、気だてのいい人々を喜ばせるいわばエンターティナーである。司祭になろうとする者は少なくとも5年間入信者あり、2つの面白い技能が90%以上、〈浄化〉の技能が50%以上なければならず、更にAPPが8未満か、13より上でなければならず、試験官を納得させねばならない。
     試験官は常に3人の司祭であり、可能ならばその中に司祭候補者を入信させた司祭がいることが望まれる。候補者は最初に自身の技を実演し、次いですべての4つの特殊技能と〈浄化〉(興業術)を実演しなければならない。そのとき候補者は彼の神聖さを試験官にを納得させなければならない(ゲーム上では1D100でPOW×3以下、但し各スキルでクリティカルを引き起こしたスキルごとに乗数を1加えられる)。候補者は(容易ではないかも知れないが)自分で試験官を連れてこなければならない。
     ドナンダーの司祭達は自身が信者の雇い主である時を除いてカルトの信者に関してちょっとした支配力しか持っていない。信者はだいたい司祭の命令に従うが、彼らがそうしなければならないと言う宗教上の要求があるわけではない。司祭たちはカルトに対して時間と金銭の10%を捧げるだけでよい。彼らは乏しい資金として入信者の献金を有している。司祭がその世界で自分でする事ができるのにカルトのお金で自分を養うのは、恥であるとされる。司祭は入信者と同様に「調和の週」と「真実の週」に毎日1ポイントを魔力ポイントを捧げなければならない。
     ドナンダーの司祭は神聖介入を通常の1D100ではなく、1D10でロールする事ができる。
    一般神聖魔術:《ドナンダー礼拝》
    特殊神聖魔術:《調和》《歴史》《聴覚幻影》《持続》《真実告知》《口車》

  11. ドナンダー特殊神聖魔術
  12. 《調和》 Harmonise
     2ポイント、遠隔、特殊、複合可、再使用可
     この呪文は対象が術者とのMPの抵抗に負けた場合、対象に術者が行ったことと正確に同じ事を行わせう。これは術者と同じような形の生物にのみ働く−明らかな理由として馬に対して《調和》を駆けようとしている人を考えてみて下さい。彼は翼を得ることができないが、風の子に対して《調和》をかけることはできる。呪文の対象は術者が行ったあらゆる動作をやろうとする。幾つかは不可能である;例として対象は穴の中で歩き続けようとするが、前進することはできない。
     もし《調和》の対象が怪我をしたなら、術者は痛みを感じる(そしてそのときに呪文を唱えようとしていたら、集中力ロールを行わなければならない)。もし対象が死に至った場合、術者はトータルHPに1D6点のダメージを受ける。複数の《調和》を使うことにより、術者は複数の対象に影響を及ぼすことができる。この呪文の一般的な使い方の一つとして、ダンサーの一団を完全に整合させるのがある。この呪文はあたかも《持続》の影響を受けたかの如く、音楽が演奏されている間持続するが、その音楽が術者によって演奏されている必要はない(あなたがトランペットの一団を望んだとしても、これはあなたの呪文である)。

    《歴史》 History
     1ポイント、接触、持続、複合不可、再使用可
     この呪文は術者に一つの物品の歴史を声に出して喋らせる。もしその歴史が呪文の15分間より長かったのなら、一部分しか語られない。もし物品が長い歴史をもっていたとしたら、術者が語り始めるときに特定の時間を指定しなければ、呪文により最初から話し始める。
     ランカー・マイの呪文は術者にだけ情報を伝えるが、この呪文では秘密にしたい情報も誰かに聞かれるかも知れないという点を除いては、ランカー・マイの《知識》呪文と同様に機能する。

    《持続》 Protraction
     1ポイント、自身、特殊、複合不可、再使用可
     この呪文は持続する精霊呪文か魔道呪文と複合しなければならない。術者は呪文を唱えるときにちょっとした演奏か歌を始めなければならず、同時にその技能をチェックすること。呪文は術者が音楽を続けている間はずっと持続するが、ちょっとでも途切れた時点で終了する。術者は歌い続ける1分ごとに1FPを失い、FPが0以下に落ちたらその後毎分CON×5ロールを呪文を続けるために行わなければならない;まったく忍耐力のある友人というのは大いなる助けだよ。

    《真実告知》 Truth Telling
     2ポイント、自身、瞬間、複合可、再使用可
     この呪文は自分にのみかけることができるものであるが、第2の対象が必要である;対象は術者の声の届く距離にいなければならない。この呪文は術者に対象についての一つの秘密の真実を話させる。
     術者は何の真実を語るかはコントロールできないが、大抵、術者が最も広く話されることを望まない内容となるであろう。この話は対象の現行の状況に関わっていないものでも構わない。たとえ「ラグナー王は嵐の声の娘ラナールフを誘惑した」という話が彼をより直接的なトラブルに陥れるとしても、「ラグナー王は16歳まで寝小便をしていた」はより決まりが悪いだろう。
     複合した場合、より多くの真実を暴く。
     真実を語るとき、術者の声には堂々とした雰囲気がある。ドナンダーと術者の関係を知っている者たちは言われたことを信じる傾向がある。

    《口車》 Crever Tongue
     1ポイント、遠隔、持続、複合不可、再使用可
     対象の〈雄弁〉の技能が2倍になるが、呪文の持続のために歌わなければならない。

  13. 下位カルト
  14.  復讐精霊は存在しない。ドナンダーはそのようなことに力を浪費できるほど力ある神ではない。カルトに対して害を加えた者(僅かばかりの仕事をほとんど取ることで、あなたの司祭を駄目にするということをやったとしても)は魔法が再使用できなくなり、それよりも重要なこととして仲間付き合いはなくなり、ほかの信者からの協力を得られなくなる(一般的に犯罪者をまごつかせて話を妨害したり、そうなった理由を皆に告げるのである)。
     ドナンダーの幾つかのヒーローカルトは存在するが、非常に稀である。一般的に彼らはヒーローに特有の新しい神聖呪文を提供する。

  15. 友好カルト
  16. イサリーズ
     イサリーズは彼の兄弟と共通点をもっており、お互いとりわけ放浪癖がある。兄弟の安全を助けるために、彼はドナンダーに《見張り》呪文を提供する。

  17. その他
  18. ドナンダーとランカー・マイ
     二神が神々の戦争の時代に仲違いしたという事は当然2つのカルトの関係を気難しくした。ドナンダーの入信者はどの様な種類(技能の訓練でさえ)の情報に対して支払わないことに固執している。ランカー・マイの信者は当然何らかの見返りなしに日中の間(? the time of day)誰とも話さないことに固執している。地域におけるドナンダーのとランカーマイの信者間の機能的な関係はもっぱらその地方のランカー・マイの大司祭の態度に完全に依存する。
     ランカー・マイの重要な問題はドナンダーの旅をしている語り部たちがたくさんのことを知っており、もし話を聞ければ図書館の質が向上することをカルトが知っていることである。幾らかの地方ではその地の大司祭は比較的賢明で、入信者たちが情報を交換するように手配するが、そのような地方は稀である;ランカー・マイの派閥争いが継続するためそのような非公式の手はずを妨げる傾向がある。ほかの地方では賢者はすべての語り部の話は信頼できず、嘘をもって彼らの図書館を汚染しようとする計画があると主張し、語り部から何らかの事を学ぶことを故意に避ける。静かなほかの場所で、年若の入信者はポケットマネーを与えられ、潜んで話を聞くために地方の宿へ行くようにと言われる。語りべを無視したり、彼に何か彼の知識を話すように強要することは行われない。なぜならそのような方法では語り部は常に図書館を汚染しようとするからである。

    ドナンダーとトリックスター
     ドナンダーとトリックスターが組むようなことは見込みがない。彼らは同様の習慣をもっており、しばしば一方の信者が他方の信者を装うこともある。しかしながら彼らの本質は基本的に対立している(「調和」「真実」「調和」VS「無秩序」「幻影」「無秩序」)おり、必然的に、彼らはしばしば互いの喉元にいる。
     トリックスターは、時折、吟遊詩人を彼らの冗談の標的にすることに挑戦する−偏狭なオーランス信徒が剣を持った友を見る為にしそうな感じのように、吟遊詩人の心配が馬鹿を見つけるためにする以外、誰もこれを助けてはくれない。これは吟遊詩人がしばしば語る話でトリックスターを馬鹿にするのとは偶然の一致でしょうか?
     どちらの神も軍神ではないためか、トリックスターと吟遊詩人が僅かな重大な問題がない限りはお互いの殺し合いに発展するようなことはない。

    文化的な相違
     ドナンダーの礼拝は礼拝を行うのが誰かによって非常に異なる。ここに書かれたドナンダーの描写は中央ジェナーテラのゼイヤラン文化にふさわしいものである。ルナー帝国やダラ・ハッパではホワイト・ウルフ社バージョンの「the Gods of Glorantha(グローランサの神々)」よりもはるかに離れている。

  19. この文章について
  20. 著者:Nick Eden(nick@pheasnt.demon.co.uk)
    翻訳者:RIZE/奥田和幸(PXU02745@NIFTYSERVE.OR.JP)
    協力:村瀬尚之(yelm@imasy.or.jp)
     この文章は、Nick Eden氏が書いたものを、RIZEが翻訳したものです。非営利の利用に限り複製が許可されます。他ネットへの転載については、RIZEにご相談下さい。
     訳文におかしなところがあり、原文の意味を取り違えているかも知れません。そのようなところがありましたら、訳者まで、メールにてお知らせ下さい。
     この文章は公式版ではありません。この文章を使用するにあたっては、各人の判断でご利用下さい。この文章の使用により、何らかの害があったとしても、著者並びに翻訳者、協力者は、関知しません。


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