ユールマル

ユールマル
〜オルランスの道化〜

  1. 神話と歴史
  2.  このトラブルメーカーの神は道化にして愚者ではあったが、神の力を持った道化であった。そのトリックは世界を変え、そのいたずらは創造と破壊をもたらした。その冗談は無害な場合もあった。例えば天宮の晩餐会で皆の服を透明にしたことがあった。
     ユールマルも使いようではある。ユールマルが地獄の門番を引き付けている間にライトブリンガー達がこっそり忍び込むことができたのがその例である。しかし大概ユールマルは害があり、飛びアライグマの子供をみな食べてしまったりする。
     そのずる賢さにもかかわらず、ユールマルは単なる冗談の的にしかされない。
     ユールマルはわがまま放題の道化で、食い飲み姦淫を好み、盗みを楽しむ。理を知る神々はこの道化神を館から放り出し、理を知る人間はその信者を家から叩き出す。オルランスだけが(ときたま)ユールマルをてなずけることができる。
     ユールマルは目を引く派手な服を着込み、顔を歪めて笑う鋭い牙を持つインプの姿で描かれる。片手にはいたずらの詰まった袋を持ち、もう片手では卑猥なジェスチャーをしている。

     ユールマルはスパイクの端でうまれた。母はユーレリアで、おぞましい幽鬼族を誘惑した結果がユールマルである。ユーレリアは服といっしょに徳も脱ぎ捨て、その死の種族と床をともにし、無法のルーンを持った子が誕生した。
     ユールマルは長じるにあたり数々の悪ふざけをなし、慈悲と無慈悲やその他相反する徳の両方を見せた。

     ユールマルがスパイクをさまよっているときに、風の神々の誕生を目の当たりにした。その荒れ狂う様を見て、大いに気に入り、天宮の神々や太陽神達よりはよほど自分に近しいことを見て取った。そして若い神の姿をとってケロフィンのそばで遊んでいた。そこでユールマルは最も若い風の神オルランスと親しくなった。

     ユールマルの最も有名ないたずらは、フマクトから死をだまし取ったことと、ライトブリンガーズクエストに加わったことである。もう一つは、父方の種族全体を騙くらかし、母を混沌から護るように仕向けさせたことである。こうして、父はその子の母を護るために死んでいった。
     大いなる盟約によりユールマルの行動はかなり制約を受けている。いまやオルランスの王室に座をしめ、そこで悪ふざけをすることは少ない。いまだに時々英雄界をうろつき、いたずらをしかけている。
     最近ではクモやその他の虫や人間に助けを呼び掛け、オルランスにかけられたタズナをゆるめてもらうよう画策している話しが伝えられている。  ユールマルは死が最高の責任を意味すると考えており、それゆえ死は自分の失敗を意味すると考えている。死を騙くらかすことが楽しみであり、そのために信者たちには蘇生が許されている。
     ユールマルは親から伝えられた無法と生命、そしてオルランスにいやいやながら従っているために嵐のルーンを持っている。

  3. カルトの性質
  4.  オルランス信者達の中では、ユールマルカルトは道化であり、アドバイザーである。道化とはその言葉の意味ではなく、気のふれた者、すなわち神の手が触れた者をあらわす。アドバイザー役としては、変化の守り手をあらわし、年老いた文化に活気を取り戻す役目を負っている。オルランス・レックスの領主や王の傍らにはいつもユールマル信者が座を占め、若きオルランスが王座を得るには世界に変化が必要であったことを思い出させる。

     オルランス信者達の外ではユールマルは他のトリックスター神と同じ扱い、すなわち、触らぬ神に祟りなし、と考えられている。

     ユールマルは悪い冗談を好む。凝り固まったものを破壊することを好む。変化と混乱を好む。
     ユールマルは定常と法のカルトを嫌う。例外はライトブリンガーで助けを得たランカマイである。

     ユールマルは混沌と対立している。混沌は世の物すなわち冗談のネタを破壊しつくすからである。

  5. カルトの構成
  6.  オルランスの寺院にはユールマルの社が置かれている。オルランス・レックスの寺院には、ユールマルの寺院とみなされる。
     そのめったにないユールマル寺院には司祭が一人と何人かの侍祭がいる。ルーンロードがいる場合もあればいない場合もある。

     聖地はグロランサ中に散らばってあるが、ターシュのベアーズ・ベア森(熊の実る森)はその一つである。荒野では「砂の湧く泉」と呼ばれる地が聖地である。サーターではジンジャーブレッドローフが聖地である。
     ヒョルトランドのホワイトウォール市の中にユールマルカルトの中心地がある。その中にはジェナーテラ最大のオルランス・レックス寺院すなわち最大のユールマル寺院がある。もちろん噂ではサーターの古の風の寺院の廃墟跡にユールマルの大寺院があるといわれているが、単なる噂にすぎない。

     祝日は年に5回あるが、司祭のまったくの気まぐれで催される。大祝日は聖祝期前の最後の日である。

  7. 平信者
  8.  見た目に混沌の汚染がない限りだれでも平信者になれる。平信者は常に周囲の暮らしに風穴を開け続けなければならない。他のメンバーがいたずらを手伝ってくれるときもある。

  9. 入信者
  10.  他のトリックスター神のカルトとは異なり、ユールマルは信者が5つの技能において能力を示さなければならない。その技能は通常役に立つかどうかは関係ないが異常な能力であったり、おかしな使い方ができる技能でなければならない。
     祝日には、徒歩5日以内にある寺院や社に行き、1ポイントのPOWを捧げなければならない。大祝日には1ポイントのPOWと全MPを捧げなければならない。
     寺院には抜け穴があり、トラブルから逃げ出すのを手伝ってくれる。

    技能:〈手先の技〉〈機器操作〉〈隠匿〉
    精霊魔法:《ビファドル》《グラマー》《グルー》《ビリティ》《ホットフット》

  11. ルーンロード
  12.  ユールマルのルーンロード、プランクスターは完全に正気が失せていると考えられている。ストームカーンとは異なり、プランクスターが何をしでかすか、そしてその理由もまったく予測することすらできない。
     プランクスターは神と特別な関係にあり、神の介入は特別なルールが適用される。プランクスターはまずPOW×5%のロールを行い、これに成功するとD10でPOWが減る量を決める。失敗すると一般信者と同じようにロールする。
     プランクスターになるには5つの技能が90%以上でなければならない。その技能は別々の技能分野のものでなければならない。

    共通ルーン魔法:《ウォーシップ・ユールマル》
    特殊ルーン魔法:《リフレクション》《カリスマ》《クレバー・タン》《コンシール》《ハイド・ファイヤー》《グループ・ラフター》(全て再使用可)

  13. 司祭
  14.  全ての信者は司祭となることができる。オルランス信者達の中にあって、いったん司祭として認知されるとその地位は逃れられないものとなる。
     司祭となるには信者であり、オルランスの司祭に認められなければならない。いったん認められると司祭としての一般的な条件を満たす必要が出てくる。

    共通ルーン魔法:《サンクティファイ》《ウォーシップ・ユールマル》
    特殊ルーン魔法:《リフレクション》《全てのイリュージョン》《カリスマ、クレバータン》《コンシール》《グループ・ラフター》《ハイド・ファイヤーライ》

  15. 特殊カルト精霊呪文
  16. ホットフット(あっちっち:Hotfoot)
     1ポイント、瞬間
    標的のMP抵抗を破ると、標的は片足に焼け付くような痛みを覚え、そのラウンドの間その足でふんばることができない。DEX×5%に成功すると片足で飛び回ることができるが、失敗すると転倒する。

  17. 特殊ルーン魔法
  18. カリスマ(カリスマ:Charisma)
     1ポイント、持続、重複不可、再使用可
    標的のAPPを2倍にする。どんなにAPPが高くなろうと、標的の人相までは変わらず、見間違えらることはない。

    クレバー・タン(二枚舌:Clever Tongue)
     1ポイント、持続、重複不可、再使用可
    標的の演説技能と言いくるめ技能が2倍になる。

  19. 関連カルト
  20. チャラナアロイ:《ヒール・ウーンズ》を提供する。
    イサリーズ:《ロック》を提供する。
    ランカマイ:《クレボアイヤンス》を提供する。
    オルランス:《コマンド・シフル》を提供する。

    オルランスに関する付記:
     オルランスとユールマルは特別な関連があり、オルランスの司祭とルーンロードはそこから特別な能力を得ている。


翻訳版 Copyright 1994/08/11 storm mark

以上は Charles Keith-Stanley 氏が Internet RuneQuest Dialy にアップロードした THE CULT OF EURMAL By Philip Davis の簡易訳版である。原著の著作権はPhilip Daivs 氏が保有する。
簡易訳版の著作権は翻訳者である storm mark が保有する。
RQ、ルーンクエスト、Eurmal 等はそれぞれの著作者が著作権を有する。
RuneQuest は米Avallon Hill社、ルーンクエストはHJ社の商標である。

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