HeroQuest

ヒーロークエスト



ヒーロークエストシステムルール
 ヒーロークエストのシステムはルーンクエストの変更版である。ヒーロークエストではルーンクエストのルールのいくつかを変更する。以下はヒーロークエストで修正されるルーンクエストのルールの一覧である。変更があればそこは(*)で示す。

成功レベル
 成功レベル表(キャラクターの技能の%を基準とする)
  種類    レベル  下限       上限      成功の条件
  ファンブル  (-1)   95+<%>/20    なし
  失敗     0    <%>       95+<%>/20   95+<%>/20以下
  成功     1    <%>/5      <%>      95+<%>/100以下 *
  スペシャル  2    <%>/20      <%>/5     95+<%>/400以下 *
  クリチカル  3    <%>/100     <%>/20     95+<%>/1000以下 *
  *スーパー   4    <%>/400     <%>/100    など      *
  *ハイパー   5    <%>/1000     <%>/400

  など

  全ての端数は切り捨てるが、「条件」欄だけは端数切り上げ。
  「00」のロールは自動的に成功レベルが1つ下がる。
 解説:
 ルーンクエストには「成功レベル」の概念がある。技能%以下を出すと成功し、技能の1/5以下を出すと「スペシャル」となる。ヒーロークエストではこれをさらに拡張し、「単なる」クリチカルを上回る高いレベルの成功レベルを定義する。ヒーロークエストではまた「自動的失敗」も定義しなおす。96〜00を出した場合にはこれまで自動的失敗であった。ヒーロークエストではこの「失敗」の可能性が減少する。これは100%以下の場合にファンブルの可能性が減少するようなものである。成功のためのロールが95+%/100以下ならばたとえ実際のダイスの目が96〜00の間であっても(最低限の)成功になる。従って200%の戦士は98〜00でしか失敗しない。


 200%の技能を持つヒーローはロールによって以下のような成功レベルになる。
 ロール レベル  種類
  00   (-1)  ファンブル(「失敗」−1レベル)
  98-99  0   失敗
  43-97  1   成功
  11-42  2   スペシャル
  02-10  3   クリチカル
  01   4   スーパー

 500%に達すると以下のようになる。
 ロール レベル  種類
  00   0   失敗(「成功」−1レベル)
  96-99  1   成功
  26-95  2   スペシャル
  05-25  3   クリチカル
  02-05  4   スーパー
  01   5   ハイパー

 英雄界においては、1レベルの成功(命中)は日常茶飯事であり、特に珍しいわけではない。危険は非常に大きく敵は非常に強力なので単なる成功では通常役に立たない。真に成功するには「スペシャル」で成功する必要がある。英雄界は困難な世界なので、あらゆる事において「成功」は事実上の失敗となる。英雄界の脅威に対し「失敗」したら、それこそファンブルと同等のとてつもない大打撃となる。
 このためヒーロークエストにおいて%の数値は成功の確率ではなくスペシャルの確率を表わす。もし「原初の川」で激流に飲み込まれたら、ただの「水泳」技能判定では乗り切ることはできない。スペシャルでなければ溺れ死んでしまうかもしれない。
 技能が120%しかない英雄界での駆け出しのルーンロードでは、24%スペシャルの確率しかない。このルーンロードはまさに駆け出しといってよいだろう。最も弱い敵とあいまみえるだけで殺されかねないのである。

成功レベル結果
 ヒーロークエストでは100%以上の技能を持つもの同士のルールも定義しなおす。100%を超える分を相手の技能から差し引くことはできない。そのかわりスペシャルの成功に対し、相手がただの成功に過ぎない場合には、その結果は成功に対して相手が失敗したのと同様の結果となる。これを「成功レベル結果」(またはSLR)とする。この値を求めるには、以下のように計算する。
 SLR=攻撃側の成功レベル(+)−防御側の成功レベル(+)
  (+) 戦闘では、ファンブルは(その他の問題がつきまとう)成功レベル0とする。
  SLRは、成功度合によって正や負の値をとる。

武器の成功レベル結果
 ルーンクエストにおいては用いる武器によって成功レベルに応じたさまざまな結果が生ずる。(例:鎧の効果の無視、「貫通」ルール、武器へのダメージなど)。ヒーロークエストではこれらの結果を拡張し若干の変更を加えた。以下にそれを要約した表を示す。
 切裂/破砕の結果に変更がある事に注意されたい。

       攻撃側の武器のタイプ
 SLR  切裂    突刺       破砕     身体     棒型
 +5  OVRCRT   OVRCRT      OVRCRT    OVRCRT   (種類による)
 +4 SLASH+CRIT CRIT+IMP    CRUSH+CRIT   DSRM+CRIT   (同上)
 +3  CRIT   CRIT+IMP    CRUSH+ACRIT  DSRM+CRIT   (同上)
 +2  SLASH    IMP       CRUSH    NWD+DSRM   (同上)
 +1  NWD    NWD/STUCK     NWD      NWD     (同上)
  0  WDVP     NE       WDVP      NE      NE
 SLR    防御側の武器のタイプ        (回避)
 -1  PWD    NE/(PND)(+)    PWD      NE      NE
 -2 CRIT+PWD  PWD/(IMP)     PND      NE      NE
 -3 CRIT+PND  PNW/(CRIT+IMP)  2PND      DSRM      PWD
 -4  DSRM  CRIT+PND/(2CRIT)  2PND+CRIT   DSRM+DMG     PND
 -5  OVRCRT  DSRM/(OVRCRT)   OVRCRT    OVRCRT    CRIT+PND
 (+) かっこ内の貫通結果は身体型武器を受けた時に用いられる。棒状武器は「棒型」として扱うが、(種類による)と記されている場合は武器の頭部形状の種類のタイプとして判定する。

 用語:
 CRIT  − 防具/防御魔法を無視する(防御時なら武器の防御効果を無視する)
 IMP   − RQの貫通ルール(武器ダメージ+最大値+ダメージボーナス)
 NWD   − 通常の武器ダメージ(敵の防具に対し全ダメージ)
 PWD   − 受け流し武器のダメージ:攻撃側の武器か身体武器の部分に対するダメージ(ダメージボーナスは加えない)
 WDVP  − 武器のダメージに対する受け流し(受けた武器/部分にダメージ)
 PND   − 受け流し武器の通常ダメージ(武器ダメージ+ダメージボーナス+魔法)
 2PND  − 「2倍受け流し」:受け流し武器の通常ダメージ×2
 SLASH  − 防具を抜けた分のダメージを2倍
 CRUSH  − 武器ダメージ×2+ダメージボーナス×2
 ACRIT  − 防具のみ無視(魔法は有効)
 DSRM  − 受けまたは攻撃武器/盾が無効になる
 DMG   − 防御側が攻撃側の身体部部分にダメージ
 OVRCRT − 「オーバークリチカル」:望んだ事態が発生する

 その他のSLRへの修正:
  +1SLR:防御側に対し攻撃側が完全に不意討ちする
        攻撃側には見え防御側は見えない
        防御側は動けないよう固定されているか気絶している
      上記修正は累積しない。
  −1SLR:最大ダメージを出すことを指定した場合。
        (SLRがダメージを与えることができる結果であること)
        攻撃前に宣言しなければならない。
  −1SLR:ロールした後に、命中部分を決めることができる。
        例:+3レベル(「クリチカル」を受け損ねた場合)は攻撃側の
          選択した部分への「スペシャル」に代えられる。

 特定の武器はSLR表で特別な効果を得られる。例えば「ソードバイター」は−2SLRか−3SLRで「DSRM」(武装解除)の結果となる。その他全ての点でこれは切裂武器として機能する。

その他の戦闘メカニズム
 ヒーロークエストの戦闘メカニズムで言及に値するものがいくつかある。

 ストライクランク:これはどれだけ効果的に有効打を出せるかの目安である。攻撃%が高くなるほどより速く攻撃することができるようになる。75%に達するとそれ以降の+50%毎にSRが1点減少する。攻撃順を決めるときには武器のSR未満にはならないが、以降のSRにおいては最もSR減少分が大きなものが最初に攻撃する。攻撃を分割する場合には、分割後の%でSRを計算するが、2度目の攻撃では武器のSRを1まで減少させることができる。
 複数攻撃/受け:SRが残っている限り、相手をどう選び、どう攻撃や受けをするかを選ぶことができる。2度目の攻撃/受けでは01は自動的クリチカルになるとは限らない。
 例:200%の<拳攻撃>(DEX 21/SIZ 18)は、SR4(武器の基本SR)に攻撃する。2つの100%攻撃に分割するとSR4とSR8に攻撃できる。75%と125%に分割するとSR4とSR7に攻撃できる。75%/75%/50%の3つの攻撃に分割しようとすると、攻撃は4/8/13になる(13は間に合わない)。PCが三回目の攻撃をするには225%に到達しなくてはならない。

 回避:RQ3版ファンのことを考慮し「回避」を定義しなおす。「回避」は単に「身体武器による受け流し」になる。武器があろうとなかろうと「回避」を行なうことができるが大抵の場合回避は武器や盾で受けるより不利となる。防御に撤する場合には、武器と盾で受け流しを行うように「回避」と「受け流し」を同時に行なうことができる。

 武器難易度修正:武器の難度修正は変更される。ただし通常ヒーロークエストがプレイされる水準では大きな差はない。「武器基本成功率−20%」が武器の攻撃/経験の難度修正値となる。例えばグレートソードは−15%の難度修正値となる。これはその武器を用いた攻撃が全て−15%されるということを意味する。キャラクターの移行を簡単にするため既存のキャラクターについては、既にこのマイナス分を含んでいると考える(例:グレートソード%が130%のPCは実際には145%−難度修正値15%である)。経験ロールは本当の技能%で行なう。

戦闘の例:
 ゾラクゾランのルーンロード、グランニックは真の自由がもたらす力と栄光を求め英雄界を駆け巡っているバーサーカーである。グランニックは普通はスペシャル%は30%しかないが、バーサーカーになると45%(混沌相手には60%)となる。バーサーカーになると常に受け流しを「失敗」する(受け流そうともしなくなる)。
 グランニックは下級デーモンと遭遇した(だいたい召喚されたカコデモン程度の強さである)。デーモンは毒で覆われた二つの爪で30%スペシャルで攻撃する。デーモンに届く位置にいたため、グランニックは運よく先に行動する機会を得た。

 第1ラウンド:グランニックは87を出した。不幸にもただの命中である。ここでデーモンは30%スペシャルの受けに成功したが「身体武器」の−1SLRは無効のため特に問題はない。今度はデーモンの番である。デーモンは38と14を出した。一大事である。単なる命中ではなくデーモンの+1SLRと+2SLRの命中を受けたのである。デーモンの身体武器(爪)はもし受け流しに成功していればその武器を奪い取ったであろう、しかしグランニックは受け流さなかったためモールを失わずにすんだ。デーモンはグランニックの防具に対し21点と19点のダメージを与えたが、バーサーカー状態にあるグランニックはほとんどたじろぎもしない。

 第2ラウンド:グランニックは13を出した。クリチカルである。いい攻撃だが、それ以上にデーモンは97を出し、受け流しに見事に失敗した(デーモンは96以下で受け流しに成功する)。結果、グランニックの+3SLRである。モールは棒型武器だが、この場合は破砕型のダメージと見なされる。グランニックはデーモンに対し CRUSH+ACRIT を与えた。これはデーモンの防具に対し4d8+4d6(クラッシュとブラジオンによりさらに+4d4+4)ダメージがデーモンの外皮を無視する。グランニックは平均値よりわずかに多いだけの46点を出したが、これは4の部分(デーモンの5本ある足の1本)を奪うのには十分なダメージである。
 戦いは続く.....


英雄界(神代)
 「神代」とは、グロランサの中にあってもたいへん異様な場所である。そこはグロランサの歴史であるとともに、それと並行に流れるもう一つの時間であるともいえる。ヒーロークエストとは非常に魔法的でかつ奇妙な時間旅行と考えることができる。
 本文中では「時以前」「英雄界」「神界」「神代」をほとんど同一のものとして扱っている。しかしこれには若干の相違がある。「時以前」とは「時」の彼方にあるすべての領域を示す。「英雄界」とは「時」と「時以前」の間にある境界で、ヒーローたちの行くもうひとつの世界である。「神界」とは神々がその居を定めた「英雄界」の特定の場所(個々の神々の支配圏)を表わし、天国と呼ばれる(敵対する神々の信者からは地獄とも呼ばれる)。「神代」とは「英雄界」の最深部、「神々の戦争」や「混沌の侵略」の以前の神話の時代を表わす。すなわち「神代」に至るヒーローは「小暗黒時代」「大暗黒時代」を戦い抜かねばならないことを意味する。

新しき時
 「時」とは全世界を統べる(女)神である。時の力には神々といえども抗うことはできない。時はまた「大折衷」とも呼ばれる。
 時には4つの働きがある。第1の(そして最大の)働きとは、神々同士の争いを禁じることである。神々は、たとえ永遠の仇敵であろうとも、時の誕生の際に設けられた掟に従う範囲でしか活動を許されない。掟は「神の言葉」で記され、定命のものどもには理解することはできないが、おおよそ以下のように解することができる。
 ・直に事を構える勿れ。
 ・汝を信ずる者以外を、呪うこと勿れ、害すること勿れ。(ただし汝に背きたる者に、多少の呪いを下すは是なり。)
 ・汝のものならざる魂を欲すること勿れ。
 ・信者から請われずして助けること勿れ。請われるほどに助けるべし。信者を助けるはよし、が、その他を害すること勿れ。
 これは神性呪文の基礎となる。神性呪文は、自身の能力の一部を分け与えることで「信者を助ける」ことであり、これは神々にとり正当な援助方法である、これが仮に他者を傷つけるために使用されたとしても。事実、この行為は「時」の到来以前にすでに当たり前のこととなっていた。
 「時」の第2の働きは、世界を統べ、物事が順序通りに起こるようにすることである。すなわち「因果」のみを許し、「果因」を禁ずることである。この働きによりグロランサでは予言は全く効かくなる。例外はアラクニーソラーラ(「時」の母)がときおり漏らす漠たるつぶやきのみである。
 「時」の第3の働きは時の到来の際にあった力や呪いの作用を保つことであり、グロランサに存在する大いなる力(存在)がその地位を保つことである。簡単に言うと「時」は全ての「自然の流れ」を支配しているということである。季節の移り変わり、誕生から成長そして死への流れ、飢えた定命のものが(どれほど力を尽くそうとも)やがて弱り死んでいく様、風の神々に征服された神々の末裔は息をしなければ死んでしまうこと、殺された神々の末裔は死が不可避なこと、などである。これら全ての流れを「時」が司るのである。
 「自然の流れ」は「時」により許された結末である。「大折衷」の掟に従う限り、これは神々の直接介入とは見なされない。ヴァリンド神がその力を奮う時節に、愚かにもその風雪に挑む者がいたら、その者にどのような害が及ぼうが、それは神の責任ではない。ここで注意を要するのは、たとえ「自然の流れ」といえども十分な力がある者を押し止めることはできないということである。「時」ですら、その他全ての神々と同様に変化からは逃れられないのである。
 「時」の最後の働きは、神々に時の中にある世界と直接交渉する手段を提供することである。僅かな例外を除き、信者はいついかなるところであっても神々の助力を請う事ができる。

時の欠如
 英雄界に時がない。このために時が司る法則を知っておくことは重要である。「時の法」は英雄界では決して自動的に働くことはない。時の働きをそれぞれ別個に発生させてやらねばならない。これは以下のようなことを意味する。
 ・神に直接会えたとする。もし神に気に入られない場合は、神はその者を粉々に打ち砕くかもしれない(またはそれよりももっとひどい事をするかもしれない)。
 ・しかし誰かが意図しない限り「自然の流れ」が起こることはない。このため粉々に打ち砕かれたとしても、「死の力」が用いられない限り(もしくは、自身で死を選ばない限り)死ぬことはない。時を越えて行くには「死」の前を通りすぎなければならない(「死」はそれを知っていて、知っている道を塞ごうとする)。呼吸、食物摂取、睡眠の必要はほとんどなくなる。望まなければ火はものを焼かず、欲しなければ氷に凍えることはない。誰か(何か)が自然の力/出来事を起こそうとしたならば、それは全て起こる可能性がある。例えば砂漠の多くは「渇きの神」の領域の一部であり、それゆえ砂漠では渇きにより行動不能となってしまうのである。
 ・神の介入を請うことはできない。面識ある神の御前にいる場合だけはその限りではない。一方神はどんな助力を与えてもかまわない。
 ・POW現在値(MP)の自然回復はできない。これは「時」が司るもうひとつの「自然の流れ」である。幸運なことに多くのヒーローたちにとってはPOW現在値を回復することは比較的容易である。
 ・英雄界に入る前に効いていた魔法は、普通は「時」に忍び込む際の儀式により消えてしまう。消えなかった場合でも、主観時間の範囲内で持続するだけである。
 ・英雄界に入ってからかけた「持続」型魔法は(術者が存在する限り)永続する。
 ・英雄界で使ったルーン魔法は再使用できなくなる。「時」は使わなかった呪文を勘定しているため、術者が俗界に戻った後でルーン魔法を補充することは禁じられている。(英雄界で神に直接会った場合は、ルーン魔法を全て取り戻すことができる。)
 ・エレメンタルを召喚するにはそのエレメンタル界にいなければならない。ただし「殺されない」限りずっと召喚者についてくる。そのエレメンタル界にいる間は、その霊体部分を殺さない限りいくらでも復活してくる。
 ・ルーン魔法を失うわずに済む唯一の例外がある。「時」の中で「トゥルーストーン」に込めたルーン魔法は「時」の中において回復させることができる。この呪文を英雄界で使用すればよい。これは(多くのカルトにとって神聖な意味があることに加えて)「トゥルーストーン」が持つ莫大な価値の理由の一つである。
 ・厳密に因果律に従う必要はない(意図しなければ、因果律に従う)。ヒーローの一団が別れた後に再会した場合、それぞれの主観時間は一致しないと考えられる(相対的には似ているとしても)。典型的なヒーロークエストは主観時間で何年もかかる。何百年もかかるものもある。
 ・因果律がいつでもあてはまるとは限らないため、「昔の」神やヒーローや生き物などに出会う場合もある。(神にとっての「今」である)神の住処に行かない限り「昔の」神に面を通すことができるとは限らない。一般に「神代」に近づくほど到達するのが困難となる。
 ・討ち負かした敵の一部を喰らうことで、食欲を満たすだけでなく、その力の一部も手に入れることができる。しかし、喰らうほどに「消化」することが難しくなる。それに加えて、喰らいすぎると自身よりも喰らったもののほうに似てきてしまう。この現象は神々にも当てはまる(ロドリルが典型例である)。この方法で力を得ることは多くのものにとって禁忌とされている(ただし暗黒と混沌の眷族は除く)。
 ・「大折衷」に逆らい、俗界に潜り込もうとするものに対して「時」はさかんに阻止しようとする。英雄界から出ようとする際に「時」は通行料を取ろうとする。ヒーロークエストパワー一つに付きPOW現在値を消費しなければならない(弱い力には50点、上に至っては数千点まで)。本人がこれを供出する必要はない。信者達がこれをまかなってもよい。
 ・英雄界についた足跡は、時に洗い流されることはない。英雄界における「道筋」とは特定の「場所」同士を結ぶだけでなく、特定の「出来事」同士をも結んでいる。他のものが付けた「道筋」をたどる場合、そのものが出会った全ての出来事(待ち伏せや宝などを含めて)を辿っていくことになる。以降でそれに関する注意事項を述べる。

時以前の掟
 「時」の到来以前にも世界にはいくつかの掟があった。これは神々にすら変えることができないものであった。最も重要な掟とは、ものごとは一度以上起こることはない(元にはもどせない)というものである。覆水盆に返らず、というわけである。これはいくつかの事を意味する。
 ・自分自身に出会うことは決してない。
 ・神々の歴史を変えることはできない。例えば、過去に戻りイエルム殺そうとしているオルランスの前に飛び込むことはできない。もしそれをやろうとした場合、本来の出来事の写しの中に入りこみ、その当事者の一人なってしまう。これをソーサラーたちは「再演」現象または「影」現象と呼んでいる。再演中に悪しき「歴史」を本当に変えてしまった場合は、その出来事に由来する呪いを受けずに済むようになる。もし勝利の場面を再演した場合は、元祖が受け取ったものの写しを手に入れることになる。このようにして神々の道にそって進むことは「神々の足跡巡り」と呼ばれ、最も一般的なヒーロークエストのやり方である。多くのカルトはこれにより偉大な神話的行為を為し、これを「神との同化」と呼ぶ。しかし同時にソーサラーやシャーマンは、これは単なる過ちだとする。神を信じぬ者がある神のあとを辿ることは禁じられてはいないが、実際問題としてその神の信者だけが「神の足跡巡り」を行なう。信者はその神の「道筋」と、そこに待つ危険を知っているだけではなく、そこから得られる見返りをも知っている。ただし、その価値はその神の信者の間だけで通用するものではあるが。知られざる道をたどることは非常に危険である。その道は破滅に向かう道かも知れず、欲しくもない見返りをえるかも知れないからである(神知者は多くの神々やヒーローたちの道を解明してそれを乱用し、ほとんど全ての者から敵意をかってしまった)。
 ・自身の道を進むのであれば、それは再演することにはならない。これは既知の道をたどるのに比べ遥かに危険ではあるが、しかしより大きな見返りを得ることができるかもしれない。
 ・英雄界で何か良くないことが起こったとしても、後になってそれを阻止することはできない(これは神々ですら防げない)。できることはせいぜい起こったことの結果を修復する程度のことであるが、修復の手だてを見つけるには普通はさらにヒーロークエストを行なう必要がある。通常、これは神々が手をつけられる範囲を越えている(英雄界での呪いや恩恵は永続するものである)。
 ・現在時点にいる神々ですら変化には抗うことはできない。神が「現存」する場所へ行き、1対1で戦った(そのうえ勝った;^_^;)としたら神を傷つけることができるかもしれない(おそらくそれから何らかの利益を得ることができるだろう)。神々に何かするよう説得することや、何か新しいものを教えることができるかもしれない。これは「そのカルトのヒーロー」になる方法の一つである。神々は、一般に、ヒーローに対しては他の信者に対するよりも遥かに寛容である。神に単に会うだけでは、わずかな制限から開放してもらうことができるに過ぎない(神の呪いを消すことはできない)。
 ・英雄界で混沌の眷族に破滅させられると、その存在の記憶すら世界から消えてなくなってしまう。


神界における魔法
 神界における魔法は俗界におけるよりもさらに原始的である。これは「時」の働きによるだけではなく、神界が古き創世のころの様相を色濃く残しているからである(コンピューターでいうところのオペレーティングシステムに相当する)。ゆえに神界においてはグロランサの俗界には見られない魔法が可能となる。

WILL
 ルーンクエストでは重要ではないが、英雄界においては内面的な強さが試される機会が多い。これを「WILL」と呼ぶ。これは新しい能力値である。
 WILLは魂の強さであり、対立する困難な状況に立ち向かう能力である。カルトにおいて高い地位を勝ち得たものはすでに高いWILLを持っていると考えられる。加えて、困難を克服するとWILLは(少しづつだが)増加する傾向にある。PCのWILLは以下のように計算される。
 WILL 3d6
  +3     PCになると
  +1     平信者/学生になると
  +2     入信者/弟子になると
  +3     プリースト/シャーマンになると
  +6     ルーンロード/ソーサラーになると
  +8     ルーンロード=ハイプリースト/達人になると
  (上記追加分は累積しない)
  +10    ヒーローになると(神に認められると)
  ...上記追加分は累積しない
  +1     5個以上の技能を「究める」(100%)こと1つにつき。生まれついての技能はこれには数えない(例:人間にとっての歩行、ダックにとっての水泳など)。「同様の」技能(乗馬と乗犀など)は二つとは勘定しない(3つ以上の外国語も含む)。
  +1     ルーン魔法(または自身で呪付したもの)に費やしたPOW2点につき
  +?     非常に困難な事を忍耐を重ねて(偶然に頼らず)成し遂げた場合。GMの裁量による。
 WILLの最小値(PC用)
  +13    信者
  +15    プリースト/シャーマン
  +20    ロード/ソーサラー
  ...この数値を満たすまでWILLをふり直すこと
 一時的な(ヒーロークエストに出るための)WILLの増加
  +1-30   個人的に大変な関わりがある(自身の命や愛する者の命が掛っている場合)
  +5     探索対象になる者2人につき(多数の命が掛っている場合)
  +1     特定の行為のためにPOWかルーン魔法の消費1点につき

WILLの通常の使用方法
 「未知の」能力値であるため、いままではPCが自らWILLロールを行なっていたであろう。しかし、始めたばかりのPCや、信じ難いほどの英雄的行為を為そうという場合には、以下に示す典型的なWILLロール倍率を用いて行動/抵抗判定値を求める。
 WILL倍率 目安
  10     雑用をいやいやながらかたずける。
   9     やたらと疲れている時に眠らないようにする。
   8     自分の身体を切りさく。
   7     蘇生の可能性がある場合で、自分の命をかける。
   6     神の介入を請う。
   5     蘇生の可能性がない場合で、自分の命をかける。
   4     魂の破滅の危険をおかす(ヴァンパイアと戦う)。
   3     (死が確実な)自殺的作戦に志願する。
   2     骨が折れているときに無理矢理動こうとする。
   1     拷問にかけられても叫び声を上げない。
  1/2     魂の破滅が確実なことに志願する(クリムゾンバットと戦う兵団)。
        など

WILLによる魔法の使用
 内なる強さが十分備わっていれば、単なる意志の力だけで世界を変えることができる。これが、魔法のルーンに体現される最も基本的で根元的な魔法の形態である。しかし意志による変化は大変な難事である。小さな変化を起こすには「WILL」をパーセンテージとしてロールする必要がある。しかし望む変化の難しさにより倍率が変化する。(以下に詳細を述べる)。
 これを「時」の中で行なうことも可能であるが、世界は遥かに「強固」であり操作は難しいものとなっているため、最終的なWILLロール値から100を引いて判定しなければならない。これが0以下の場合には成功することはない。
 意志で世界を変えることは正確に言えば肉体的苦痛を伴うことではない。しかしそれは身体にとっても魂にとっても信じ難いほど消耗を要する行為となる。これは以降で述べる。

WILLの欠点
 強いWILLを持つ者は頑固で一途であり、妥協を知らず全ての権勢に反抗する。このような者は普通大変付き合いにくい。WILLが増大するに従い、使命(とヒーロークエスト)を一人で行いたがる傾向になる。
 主にこれをロールプレイしやすくするためのゲームシステムが用意される。二人のヒーローが論争を始めたら、論争がエスカレートしないようにするには100−(WILL合計値÷2)に成功しなければならない。失敗する度に、エスカレート段階が「わづか」「少々」「大」「極大」「終局」と上がっていく(他者が「調和」または「無法」のルーンを用いることで段階の進行が変化する)。
 強いWILLを持つ者はまた、ある目的、者、状況に取り憑かれるようになる傾向にある。つまり、長い探索の末に事を成し遂げられる、というような機会に巡りあったら、その者は目的(それを取る、使う、見つけるなど)に向かって、他人の感情など気にもせずに突き進むであろう。
 奇妙なことに神々はヒーローの意志の強さを承知し、それを黙認している。このためヒーローたちは伝統的に神の制限から解き放たれる。これには弱い戒律、カルトへの奉仕(9割の時間と9割の献金)、そして弱いカルトの制約(特定の魔法を持っていてはいけないなど)も含まれる。ただし、神に直接会うまでは神からはヒーローとは取られない(小ヒーローとも考えてもらえない)と言う点に注意が必要である。神に直接会うことは簡単ではない。さらに、例えばフマクト信者が死を愛でる(すなわち決して蘇生しない)ことなどの強い制約は、ヒーローですら無視することはできない。最後に、神々はヒーローたちが制約破ることを積極的に支持しているわけではないことを忘れてはならない。ただ単に承知した上でヒーローたちを許しているのだけなのである。

気力
 WILLを「使用」したがるものなど誰もいない。伝説のヒーローたちですらもWILLを使用したがらない。自分のWILLではどうあがいても事態を打開できないと見て取れる場合は、絶望するか、時には諦めてしまうだろう。これを再現するために「気力」と呼ぶ「一時的に変化する」能力値を導入する。気力とWILLの関係はMPとPOWの関係と同じである。気力はWILLの数値から始まり、意志を用いるごとに1点づつ減っていく。気力が0点になると「気が萎えた」ことになる。気が萎えると自分からはWILLロールはしなくなり、意図しないWILLロール(抵抗)の場合には通常のWILLの1/2で判定を行なうことになる。
 例外が一つある。対抗するものがないときにWILLロール値が100%以上だったら気力を減らさなくてもよい。その行為は簡単なことを意味する。
 魔法の品に気力を貯えることはできない。しかしGMの裁量で特定の行動や出来事により「気力が回復する」ことにしてもよい。これら見返りは全てGMの裁量である。標準的なものを以下に示す。
 「成功」・・・いくつかのWILLロールを要することをやり遂げたときには、ほとんどまたは全ての気力が回復する。気が萎えていた場合は最大値の1/3の気力が回復する。
 「希望」・・・苦境から脱出する方法を突然見出すと、A)脱出のため、又は、B)もう少しだけ持ち堪えるため(他の者が開放させるように)難点かの気力を得ることができる。
 「責任感」・・誰かの運命が自分の成功如何にかかっていることを知っている場合、最大でWILLまでの追加気力を初めにもらえる。これは「能力上げ」のためのヒーロークエストには当てはまらない。
 「憎悪」・・・憎悪は人を強くする。成功が憎むべき敵の破滅を意味するのなら、WILLの2倍までの追加気力を初めにもらえる。ほとんどのヒーロークエストはこれには当てはまらない。
 「愛」・・・・愛する者の運命がかかっている場合は、どんな状況にもかかわらず1点分の気力を保ち続けることができる。つまり、無限回数のWILLロールが可能となることを意味する。これに当てはまるのはたいへん希な場合である。

 気力の限界に加えて、WILLロールの再には少なくとも1点のPOW現在値(MP)を消費しなければならない。実際には、たいへん複雑な計算により消費量を求めるのだが、POW現在値はヒーロークエスターにとっては大変安いものなので、それは考慮しないことにした。(GMへの推奨事項:もしヒーローたちが大規模な変化を試みた場合には5から30点のMPを使うようにさせること。)

WILLロールの修正値
 世界を変えようとすることの難しさはさまざまな修正値によって変化する。修正値には「範囲」(変化をもたらす領域)、「等級」(成し遂げようとしている事の重大さ)、「ルーンとの関連性」(ヒーローたちが行なおうとする事とルーンとの関係)などがある。修正方法は簡単である。それぞれの修正値はWILLにたいする一時的な倍率となる。全てはGMの裁量によって決められる。そのときの目安は以下のようになる。
 WILL×   範囲
  1/8    グロランサ自体を変えようとする場合※
  1/4    一地方全域を変えようとする場合※
  1/2    戦場全体を変えようとする場合
   1    特定の標的(視界内)を変えようとする場合
   2    直接的な攻撃から身を守る場合(突然戦いの場に居合せたとということではない)
   4    同じ相手からの同じよう攻撃から身を守る場合
 ※変化を及ぼす領域内の全ての対象についてWILLで打ち勝たねばならない。大きすぎる場合は事実上不可能となる。「WILL対WILL」の項を参照のこと。
 WILL×   等級
   0    「世界の法」を変えること
  1/8    信じ難い変化(スーパーヒーロー/ドラゴン/神の魔法)
  1/2    莫大な変化(ヒーロー/混沌の魔法/混沌の諸相)
   1    強い変化(通常の「神の介入」や再使用できないルーン魔法)
   2    弱い変化(ルーン魔法)
   3    些細な変化(戦闘魔法)
 WILL×   ルーンとの関連性
   0    無関連のルーンを発動する
  1/4    関連の薄いルーンを発動する
  1/2    関連が弱いルーンを発動する
   1    関連が強いルーンを発動する
  2-5    結び付きのあるルーンを発動する
  6-9    強く結び付いたルーンを発動する
  10-20   体現するルーンを発動する
 (「ルーンとの関連性」を参照のこと)
 WILL×   その他
  1/2    ルーン特性に反することをする場合(もっと下がる可能性あり。下を参照)
 1/2-1/8   永続的な変化を起こす場合(もっと下がる可能性あり。さらに、その他の前提条件を必要とする場合が多い)
  1/2    WILLをいいかげんに使用する場合(この分母は増加していく。下を参照の事)
  1/2    霊体となって霊のこもった物体(生命体)に影響を及ぼす場合※
  2-1/4   以前の成功による修正。不慣れなこと(×1/4)は1〜10回の成功で、慣れたこと(×1/2)は11〜100回の成功で、よくやること(×1)は101〜1000回の成功で、熟達していること(×2)は1000回以上の成功で修正値がつく。大変熟達していること(×3)や完全にモノにしていること(×4)では修正値はつかない。
 1/2-1/8   とても成功しないように思える場合
  1/4    霊体が無生物に影響を及ぼす場合※
  4-1/8   「再演」していることの結果を変えること(元の出来事の「最終性」による)
 ※HPが0になると治癒されるまでは霊体として振る舞わなければならない。

WILL対WILL
 特に戦闘の場合、相手は反対の効果が起こることを意図するものである。この時の解決法は簡単である。修正後のWILLロールの結果を比べ、倍率がよい方を勝ちとする。引き分けは現状維持とする。

WILLの使用時間
 英雄界には持続時間はない。永続的な変化を及ぼすWILLロールに成功するか、または変化を望む間精神集中が必要となる。(ほとんど全ての場合は後者になる)一時にはひとつのことにしか集中できない。しかし100%以上になる対抗のないWILLロールの場合には他のことをすることができる。

WILLロールの失敗のやり直し
 WILLロールに失敗してもやり直すことができる。ただし罰則がつく。気力の余計な消費に加え最初の判定の結果よりも2倍以上良い結果を出すことはできない。例:最初の判定がWILL×4だった場合は良くてもWILL×2の結果にしかならない。さらにWILLをいいかげんに使用する場合(即ち、判定の結果を全く心配しない場合)では分母が1/2,1/3,1/4,1/5...と増加していく。これはGMの裁量で決定される。


 オルランス信者が飛ぼうと決意した。彼はWILLが23であり、これは彼にとって関連の強いルーンの力で弱い変化を起こすことである。彼はこれがうまく行かなかった場合のことはあまり心配していない。というのは単に50マイル続く岩場を上る時間を節約できるだけであるからである(これには主観時間で「数日」かかるであろう。割りのいい賭である)。最終的な判定値は23×2×1×1/2=23%である。ここで36を出したため、地面から離れることはできなかった。悩んだ末、再度試してみることにした。今回は23×2×1×1/3=15%である。11を出し、地面を離れ飛んでいった。彼は他にWILLを使おうと思うまでは飛び続けることにした。


ルーンとの関連性
 これまで述べてきたように、「ルーンとの関連性」とはこれから起こそうという変化とルーンとの関連の事である。ルーンというのはただの記号ではない。ルーンとは物事の成り立ちにおける根元的な一面を象徴するもので、その一面に対してより強い影響力を発揮する。例えば火のルーンに結び付いた者は燃やす力を持つという具合いにである。
 技能と呪文は全てルーンと関連がある。紙面の都合上、それを列挙することはできないため、これはGMの常識的判断に委ねられる。ルーン毎に、そのルーンを主たる相とするカルトを見て、その「半額」技能・呪文を調べればよい。技能・呪文によっては複数のルーンに関連するものもあるが、その場合にはPCの「ルーンマスタリー」の平均値を用いる。
 それぞれのキャラクターは全てのルーンに対して関連を持っている(もちろん混沌とも)。ヒーロークエストではこれを特定のルーンに対する「ルーンマスタリー」と呼びこれは0%から100%までの範囲の値を取る。ほとんどの定命の者はルーンの全てに対して10%の(断片的な)関連を持っている。これは種族や信仰する神々により変化する。(100%を超える関連もあるが、これは定命の者では達し得ない。100%を超えるルーンはその者の「本相」と呼ばれる。)
 匆斫囁ホ押福鵝ヒ 関連
  (0)   無関連のルーン
  01-19   関連の薄いルーン
  20-39   関連の弱いルーン
  40-59   関連の強いルーン
  60-79   結び付いたルーン
  80-99   身に帯びたルーン
   100    体現するルーン
 ルーンを帯びる(80%になる)には:
  ・そのルーンを体現する神の大ヒーローとなること。
  ・精霊のルーンをみいだしそれと直接結び付くこと。
 ルーンと結び付く(60%になる)には:
  ・そのルーンを主たる相とする神の大ヒーローになること。
  ・そのルーンを体現する神のヒーローになること(チャラナアロイのヒーローは調和のルーン、フマクトのヒーローは死のルーン、紅い月のヒーローは月のルーン、雷神オルランスのヒーローは風のルーン)。
  ・精霊のルーンをみいだしそれと強く結び付くこと。
 ルーンと強い関連を持つ(50%になる)には:
  ・そのルーンを主たる相とする神のヒーローになること(支配神オルランスのヒーローは支配のルーン、ゾラクゾランのヒーローは死のルーン)。
  ・そのルーンを体現する神のロード=ハイプリーストとなること。
  ・シャーマンは全員精霊のルーンと強い関連を持つ。
  ・そのルーンに関連した大種族の一員であること。例えばミストレストロルは暗黒のルーンと、アイアンドワーフは定常のルーンと強い関連がある。
 ルーンと強い関連を持つ(40%になる)には:
  ・そのルーンを主たる相とする神のルーンロード=ハイプリーストとなること。
 ルーンと弱い関連を持つ(30%にになる)には:
  ・そのルーンを副次的な相とする神のルーンロード=ハイプリーストとなること。
  ・そのルーンを主たる相とする神のハイプリーストかルーンロードとなること。
  ・そのルーンを主たる相とする大いなる精霊と結んだシャーマンになること。
  ・そのルーンと関連する種族の一員であること。例えば全ての人間型生物は人のルーンと弱い関連を持ち、さらにダークトロルは暗黒のルーンと、エルフは植物のルーンと、ドワーフは定常のルーンと風の子は風のルーンと、アギモリは火のルーンと、ブルーは獣と混沌の(ただし人のルーンとは関連しない)ルーンと弱い関連がある。
 ルーンと弱い関連を持つ(20%になる)には:
  ・そのルーンを副次的な相とする神のハイプリーストまたはルーンロードとなること。
  ・そのルーンを主たる相とする神のプリーストとなること。
 ルーンと薄い関連を持つ(15%になる)には:
  ・そのルーンを主たる相とする神の信者になること。
  ・そのルーンに関連した呪われた種族の一員であること。例えばトロルキンは暗黒のルーンと、ダックは獣のルーンと15%の関連がある。
 ルーンと薄い関連を持つ(5%になる)には:
  ・そのルーンと対立するルーンと関連する種族の一員であること。例えばトロルは火のルーンとは5%の関連しかなく、ドワーフは動のルーンと5%の関連しかない。

 魔道呪文も関連の一部となる。ルーンと関連する呪文10%につき、そのソーサラーは最低でも1%の関連を持つ。これは累算しない。「焼却」の呪文130%と「火のエレメンタルの召喚」の呪文170%を持つソーサラーは火のルーンと17%の関連(薄い関連)を持つ。この方法では最大で30%までの関連を持つことができる。
 この二つは相互に影響を及ぼし合う。あるルーンに関連する呪文は「ルーンマスタリー」×10%までにしかなれない。これは、何らかの手段で30%以上のマスタリーを持たない限りその呪文は10×30=300%が上限となるということを意味する。ことろでルーンとの関連を切ることはまずできない。ルーンとの関連を断ち切ることは、関連を得ることに優るとも劣らぬほど困難な事である。

ルーンの呪文的使用の必要条件
 WILLを用いて呪文のような効果を起こすことができるが、いつもこれができるとは限らない。高いWILLロール値に加えて特定のルーン魔法の効果を作り出す「方法」を知っていなければならない。ただ単に火のルーンを持っているだけでは「サンスピア」を使えることにはならない。これを得るには神の恩恵を受けるか、「緊迫した状況下」で十分習練を積む必要がある。(WILLロールの「以前の成功」の項を参照。)「時」の中にあっても、ルーン魔法の使用は1回の「成功」に数えられ、そのルーンマスタリーまでためることができる。このため、長い期間プリーストを務める者はその神のルーンに関連する能力(プリーストが献じて得た魔法)に対して習練を積んでいることになる。

ルーンの呪文的使用の代価
 永続的な効果を得るには術者が永続的な代価を払う必要がある。これはどのような永続的効果を起こそうとしているかによっている。永続的な大変化には1〜10点のPOWを消費しなくてはならない(GMの裁量で決定する)。永続的な巨大変化には2〜20点のPOWと、1〜5点のWILLを消費しなければならない。信じられないほどの変化を永続的に起こすには通常のヒーロークエストの範囲を越えていることであるが、これにはとんでもない代価が必要とされる。

ルーンと技能
 ルーンと関係のある技能を学ぶことはたやすい。機会がある度にWILLロールを行い、これに成功すると技能を訓練することができる。時間が存在しないため(学ぼうと思い続けているならば)何百年でも技能を磨き続けることができる。これはその技能のスペシャル%が関連するルーンマスタリーの値に達するまで続けることができる。ただしチェックが入るか知識を得る元となる物がなければ訓練することはできない。また、GMの許可なしでは、この方法で特別にWILLの訓練をすることはできない。

 例:タキールはランカマイのプリーストであり「古の法の書」を手に入れたところである。この書物で「法の知識」のスペシャル%に+10%(通常の成功率+50%)、「ジルステラ帝国の歴史」のスペシャル%に+3%(通常成功率+15%)、「カルトの知識」のスペシャル%に+1%(通常成功率+5%)の訓練ができる。タキールは真実のルーンマスタリーが25%であるため、WILLロールに成功するとスペシャル%が最大で25%になるまでこの書物から学ぶことができる。タキールの法の知識はすでにスペシャル%が20%であるため、真実のルーンマスタリーによりこの書物の全てを学ぶことができなかった(内容を覚えていることができなかった)。真実のルーンマスタリーが30%になると、その書物に新たに興味がわき、最大で30%になるまで学ぶことができる。

POW対POW
 基本的なPOW対POWの抵抗判定は英雄界でも変らない。範囲型呪文を作用させるには、WILLロールの成功に加えて標的のPOWをうち破らなければならない。WILLロールとPOW判定の両方に成功しても、時の中の場合より範囲型呪文の効果が若干弱くなる。

対立するルーン
 多くのルーンは対立するルーンを持つ。真実/幻、偶然/運命、調和/無法、光/闇、動/定常、生/死、などである。対立するルーンどうしのルーンマスタリーの合計は100%を越えることはない。(即ち動のルーン60%の場合には定常のルーンは最大でも40%までにしかなれない。)これが、ルーンとの関連性を断ち切るのときの主な理由となる。
 混沌に歪められたルーンは例外である。多くの混沌のヒーローや、混沌神は対立する混沌のルーンを持っている。

ルーンの欠点(ルーン特性)
 ルーンマスタリーが高くなるにしたがって、ルーンを制御することができなくなり、その一部と化してゆく。これは人格に作用する。その詳しい効果はGM個人の裁量に任されるが、その仕組みは同じである。%ロールで(PCのルーンマスタリー)−(WILL/5)以下を出すとそのルーンの人格に従った行動を取ってしまうことを意味する。
 これは必ずしも悪いことではない。ルーン特性判定に成功したら、ルーン特性に従った行動を取ることは必然的に「当たり前の使い方」と見なされることはない。しかし判定に成功したルーン特性に沿わない行動を取るにはWILL×1判定に成功しなくてはならない。これに成功しても、ルーン特性に沿わない行動には本来のWILLの半分の値を用いることしかできない。
 ある呪文はルーン特性ロールに成功するのと同じ効果を持つ。「バーサーカー」は死のルーンの標準的なルーン特性であり、「誘惑」は豊穣のルーンの標準的なルーン特性であり、「平和」は調和のルーンの標準的なルーン特性である。ルーン特性はキャラクターによらず似たような傾向を持つが、必ずしも同じというわけではない。例えばフマクト信者はバーサーカー状態にはならず、非常に勇敢になる(「モラル」呪文の効果)。
 ルーン特性に反するような事を止めるのにWILLロールを行なう必要はない。本性に反する事をやろうとする場合にだけWILLロールを行なわなければならないのである。

精霊対物体
 精霊戦闘も存在する。全ての霊体は目に見え、肉体を持った生命体の2倍の速さで移動できる。どのような力をもった霊体でも肉体を持った者に攻撃を仕掛けることができる。霊体は通常の身体のときと同じ回数だけ攻撃することができるが(非常な例外を除いて)通常のMP(POW現在値)へのダメージしか与えられない。
 魔法の武器はヒットポイントを減らすように霊体のPOWを減らし、「シールド」呪文は受け流しに使用することができる(霊体は攻撃を命中させるためには「貫通」させなければならない)。肉体を持たない霊体は、攻撃している相手より圧倒的に勝っていない限りそうとう不利になる。
 さらに、霊体が俗界に対して攻撃をかけるにはWILLを下げて攻撃しなくてはならない。霊がこもった物体(生命体など)に作用するするにはWILLを半分にしなくてはならず、無生物に作用するにはWILLを1/4にしなければならない。

霊血
 精霊戦闘で失われたPOW現在値は消えてなくなるわけではない。それは輝く青い血溜りのようになって残る。キャラクターはこれを吸収し、POW現在値の減った分を取り戻すことができる。

以下に全てルールを包含した例を示す。
 グランニックは弱いデーモンを片付けたところである。デーモンは生きてはいるがバラバラにされて倒れていた。身体は破壊されたが、デーモンはまだ死んでいなかった。「時」の中にあっては死ぬことは自然の結果であるが、英雄界ではそのようなことにはならないのである。バーサーカー状態にあるためグランニックは自動的に自分のルーン特性「死のルーン」に従う。グランニックは「死ね死ね死ね」と叫びながら、デーモンの魂をバラバラの身体から切り放そうとした。
 グランニックのWILLは32、そして「死」とは強い関連がある(グランニックはゾラクゾランのルーンロード=ハイプリーストである)。永続的な変化(死)を試みているが、それに必要な相手の身体の破壊という条件は満たしている。(これは最も簡単な永続的変化の一つである。「死」は強力なルーンである。)グランニックの最終的なWILLロール値は32×1(関連の強いルーン)×1(単独の対象)×2(小変化)×1/2(永続的変化:死)=32、である。ロールの結果は17で、WILLロール値以下ではあるが、1/2には僅かながら達していない。
 自身の死から逃れるため、デーモンはWILLロールでこれに勝たなくてはならない。デーモンのWILLは41、しかし不幸なことに死のルーンにも強い関連(55%)がある。デーモンは自身の死に対するルーン特性に従わないようにするために47%(55−41÷5)以上を出さねばならない。96を出しこれを簡単にクリアした。これに失敗すると、自らに死を与えないようにWILLロール(41%)に成功しなければならなかったところである。成功したとしても、グランニックの意志に半分のWILLで抵抗しなければならないところであった。
 デーモンは単一の敵から自身を守り(WILL×2)、小変化(防御)を起こそうとする。しかし、グランニックからの死に対して「生命」を用いなければならないが「生命」に対してはたったの8%(薄い関連)しかない。さらに、身体が破壊されているため霊体として判定しなくてはならない。その判定値は41×2(自身の防御)×2(小変化)×1/4(薄い関連)×1/2(霊体)=21%となる。デーモンは85を出し、これは判定値の4倍である。十分とはいいがたい。デーモンは死んだ。
 しかしデーモンはこれで終ったわけではない。グランニックの魂に爪をたてて攻撃しようと決心した。デーモンは2本の爪を持ち、POWは51である。グランニックは特に防御手段はないため、デーモンの霊はレベル1の成功(命中)だけでよい。デーモンは簡単にグランニックに勝って、2点と1点のPOW現在値を奪い取った。グランニックはこれにモールで応酬する。モール自体には何の効き目もないが、しかし4点の「クラッシュ」と「ブラジオン」がかかっている。グランニックはその霊のPOW現在値に16点のダメージを負わせた。
 この時点でデーモンは逃げることにした。グランニックも去ることにし、そこに残された16点分の霊の血溜りに喰らいついた。

勝利の報酬/敗北の苦しみ
 討ち負かした相手に死を与える力を持つ者はほとんどいない。しかし討ち負かした相手に他の事をすることができる。相手から何かをもぎとったり、呪いをかけたりする、などである。
 再演の影になっている場合は、本来の出来事で得られたもの以上のものを得ることはたいへん難しい。これは失う場合も同様である。
 以下に典型的な勝利の報酬を示す。
 相手を消滅させる:
  永続的な「巨大変化」である。相手を完全に破壊するために混沌のルーンを用いる。犠牲者の記憶すら消えてなくなる。
 相手を混沌により汚す:
  永続的な「大変化」である。相手持つ混沌のルーンマスタリーを増加させる。これにより犠牲者は惨たらしく混沌のものに変化する。(「死」のルーンはこの関連を切り離すことができる。しかしキャラクターの命と引き替えである。)
 相手を吸収する:
  ルーンの力を成す相手の一部をもぎ取り、それを食べることでその力を得る。相手からその本性を切り離すことは「大変化」であり、それを自身に同化するのは永続的な「巨大変化」である。(「暗黒」か「混沌」のルーンを用いる。)
 相手の一部を使う:
  相手の一部を取り、自身とは離したままそれを使用する(サソリの毒針や犠牲者の頭を使うなど)。相手からその本性となる部分を切り離すことは「大変化」であり、それを使用することは「大変化」か「小変化」である。(さまざまなルーンが用いられる。「支配」のルーンはその一つで、「混沌」もその一つである)
 相手から盗む:
  相手の持ち物(持っていたら)を一つ取る。それを使うことは「小変化」である。(その物により使用するルーンが異なる)
 相手を仲間にする:
  敵を説得し仲間にする(「調和」か「支配」のルーン)。多数の永続的な関係がこの方法で成される。典型的なオルランス式の報酬である。
 相手を隷属させる:
  敵をむりやり奴隷とする(「死」「暗黒」「混沌」「無法」「支配」のルーン)。よく奴隷は逃げたり、逃がされたりする。
 相手を封じ込める:
  「道」を永続的(または解き放たれるまで)に塞ぎ、敵をその場から動けないようにする。(「定常」のルーン)
 相手を殺す:
  敵の霊を物理的な身体から切り離す永続的な「小変化」である。(「死」のルーンを用いる)
 相手からMP(POW現在値)を奪う:
  上限値まで、敵からPOW現在値を奪い取る。(「魔法」「霊」「亡者」のルーン)
 相手からPOWを奪う:
  POWを奪う。(「亡者」のルーン)
 相手を癒す:
  暴力や混沌の呪いを取り除く。むりやり混沌にねじまげられた者は普通それを元に戻さなくては癒すことができない(「調和」または「豊穣」のルーン)。ただし「癒し」を受けるのを望まないものもいる(ヴァンパイアなど)。

古き力との誓約
 英雄界における出会いが全て暴力的であるとは限らない。相手を丁重に扱えば相手からも好意的に扱われることが多いであろう(これは相手の靴をなめるほど下手に出なければならないことが多い)。「調和」のルーンを修得していると他のものと付き合う場合に都合がよい。これに失敗すると「移動」のルーンがあると大きなプラスになる。
 「時」が生まれた際、多くの不死の存在がこれから逃れて行った。その理由は幾つもあるが、その2つの最大の理由は「時」を支えることができなかったか、支える気がなかったか、である。今やその者たちはこの世に戻ろうとしている。

「時」を支える気がないもの
 主にこれは混沌のデーモン達である。しかしこのデーモン達は偉大なる霊として数えられることはなかった。この連中は「時」の意志に真っ向から対立し、物理的に存在を続けるために「時」の中に自身の肉体を潜り込ませる方法を捜し求めている。しかしこのデーモン達は定命の者の助けがなければ「時」の設けた障壁を越えることはできない。このタイプの存在の典型的なものはクリムゾンバットである。

「時」を支えることができないもの
 身の保全に忙しく「時」に力を供出することができない傷ついた神々や偉大なる霊など、そして日和見をきめこんでいる混沌神などである。これらの神々はもともと「時」を受け入れなかった(受け入れられなかった)神々であり、そのために縛られることはなかった。しかし、今や「時」の掟を受け入れ、時の中にカルトを作り崇拝者を得ることを主に望んでいる。この神々もまた定命の者達の助けを必要とする。
 もちろん、神々もデーモンも偉大な霊もキャラクターに崇拝を強要することはできない。しかし、誘うものを出すことはできる。力がその一つである。追加のルーンの修得がもうひとつのものである。これらは「言葉」「力」「魂」に働きかけることができるほどの強い誓約に縛られる。

言葉の誓約
 単なる意志表明である。「それをするなら、これをしよう。」「これをくれるなら、あれをやろう。」これは一番簡単な誓約というわけではない。というのは偉大なる霊が求めるものなどほとんどないからである。(デーモンにとってはこれは一番簡単な誓約となる。なぜならデーモンたちは通常はもらうことだけを欲するからである。)ソーサラーとイサリーズの司祭がこの種の誓約を最もよく使う。神々は普通ほかの霊と、相手が混沌でないかぎり、言葉の誓約を交わすことを咎めたりはしない。これはイサリーズのヒーローたちにも求められる。
 こういった誓約を破ることに対しては何の罰則もない、愚かにも英雄界の同じ場所に戻って来るるのでない限りは。一方、霊やデーモンがこの誓約を守るという保証もない。

力の誓約
 ほとんどのキャラクターは「力の誓約」とは慣れ親しんでいる。というのはこれこそがカルトの一員になる方法だからである。信者、プリースト、ルーンロードになることは皆「力の誓約」によるものであり、精霊を呪縛するのも同様である。
 力の誓約は1点以上のPOWを捧げなければならない。最小の1点のPOWは相手に与えられるものではなく二つの存在の間の「繋がり」を設けるだけで、その繋がりを通してそれ以上のPOWを与えることができるようになる。この誓約を成すには、どちら側も注意を要する。なぜならばこの誓約により非常に近しい関係が生ずるからである。
 このため、神々や霊は「力の誓約」に対して用心深くなっている。彼らは信者達に対し、他と誓約を結んでいないこと、少なくとも自身が誓約を結んだ親しい者(友好神)としか誓約を結んでいないことを欲している。複数の誓約を同時に交すことを許される者は非常に例外的である。これはシャーマンにとっては簡単な事である。偉大なる霊は信者にそれほどの期待を寄せていないからである。
 「力の誓約」を結んだもの同士は互いをよく理解する。片方の意見がもう片方に影響をあたえることもよくある。神々はこれをたいへん恐れている。多くの信者が神々を変えてしまおうと望んでいる場合には、そのとおりのことが起こってしまうことがあるということを知っているからである。このために、多くの神々が実在する世界でありながら、カルトへの入信が厳しく制限されているのである。
 片方から呪いをかけられることなく「力の誓約」を破ることはできない。これはたいていの場合、泥を塗られた神が定命の者に対して行なうものである(懲罰の霊のかたちをとる)が、その逆もまた真であることを知っている者はほとんどいない。もし神が約束を違えたら、その神を呪うことができるのである。笑ってはいけない。実際に起こったことなのだ。

魂の誓約
 これは誓約のなかで最も強いものである。強く危険な誓約で「意志の誓約」とも呼ばれる。誓約に加わる者同士で自身の最も根元的な部分を出しあい一つに混ぜ合せる。これにより多くのことが生ずる。互いに知識、魔法、内なる力、ルーンマスタリーを共有することができ、同意のもとに双方のWILLを用いて事を成すことができる。しかし食い違いがあると、どちらを取るかを決めるにはWILL対WILLのロールが必要になる。
 互いの人格を保つため、「魂の誓約」は力を限定して結ばれるものである。限定の度合いが大きいほど、共有される力は小さくなる。しかし、限定された「魂の誓約」であっても人格がだんだんと混じっていくこともある。その結果は誓約の質による。
 「魂の誓約」を破ることは、たとえ不可能でないとしても、極度に難しい事である。誓約を破るにはまず第一に心のそこからそれを欲し、WILLロールを行わなければならない。もし誓約を結んでいる他の者が誓約保持を望んでいないのなら、その者をWILLロールで討ち負かさねばならない。第二に「魂の誓約」を破ることは最低でも(たとえ最も限られた誓約であっても)「大変化」となる。強い「魂の誓約」の場合は「巨大変化」か「信じられないほどの変化」になる。

最後に
 ここまで書いてきたことはグロランサの民によく知られた事である。しかし知られぬ事も多い。そして、大方のことは、ある見方で考えた場合の真実にしかすぎない。混沌のデーモンと「魂の誓約」を結ぼうとするのは気違い沙汰だと思っても、それは結構な頻度で実際に起こる事なのである。


※RuneQuestはChaosium社の登録商標である。
 ルーンクエストはホビージャパン社の登録商標である。

Copyright(C)1989,1990 Steve Maurer (この著作権表示が文書中に含まれている限り
    において、非営利での個人使用のための複製はこの文書によって許可される。
    その他の全ての権利は著作者が保有する。)
    注:これはグローランサの公認版ではない。私はケイオシアム社やそのスタ
    ッフの誰とも関係がない。

翻訳版 Copyright(C)1992 栗原 守 (上記オリジナル版の著作権表示、及び翻訳版の著作権表示が含まれている限りにおいて、非営利での個人使用に限り複製を許可する。なお、本翻訳版に対する著作権は著者が保有する。)

注:本書によって生じたいかなる損害に対しても著者は責任を負わない。各人の判断のもとで使用していただきたい。


ヒーロークエスト