Jakaleel

Moon ジャーカリール darkness

魔女、赤き月の影

  1. 神話と歴史
  2.  ジャーカリールがいずこで生まれて、いかなる生い立ちを持つかは殆ど知られていない。そもそも彼女(これは間違いないようだ)が人間であるかトロウルであるかも定かではない。
     彼女はゾラーク・ゾラーンのカルトに属していたといわれるが、そのカルトは世に知られる戦神のカルトではなく、創世の時代から小暗黒にかけての、影に潜み、”死””熱””斧”等の数々の秘密を盗み得た”影に潜む物”ゾラーク・ゾラーンを崇めるカルトと言われる。そして彼女は、カイガー・リートール、アーガン・アーガ、そして自カルトの様々な秘密を盗み取った。その過程で、蒼い月高原のアニーラのカルトと深い関係を持つにいたった。
     ある日ジャーカリールは、記憶からも消え失せた神話時代の女神の存在を知り、カルトを離れて、再生を試みるようになった。
     その女神こそ現在の「赤の女神」である。

  3. カルトの生態
  4.  ジャーカリールは赤い月の光の下に存在する影に潜む魔女である。これは帝国のいかなるところにも存在し、赤の女神が自らの影をも支配することと、女神の赤い光の中にも常に見えない恐怖が潜んでいることを同時に暗示する。
     このカルトはその他の暗黒神のカルトから非常に敵視されている。これには二つの理由がある。一つは、混沌を認め、内包するルナーの神々の一因であり、自らも混沌を利用するからである。もう一つは、このカルトがトロウルに対するルナーの宣教師であり、その行為がトロウルの伝統的なカイガー・リートールの社会の連帯を脅かすからである。
     ただ例外的に、蒼い月の女神アニーラのみはこのカルトと友好的な関係にあり、互いの秘術を分かち合っている。また、ジャーカリールの司祭やルーン王はスビーリーのカルトに入信することも可能である。なぜなら、スビーリーとは暗黒の原初の存在であり、暗黒に属する者なら拒みはしないからである。ジャーカリールの強力な寺院には、スビーリーの社ももうけられている。
     その他の七母神とルナーの神々とそのカルトとはおおむね良好な関係にある。ただ、その暗黒の属性故に、常に疎んじられることも多い。例外は、ダンファイブ・ザーロンとディーゾーラの暗殺者の秘密の下位カルトである。ただし、軽んじられることもまたない。なぜなら、彼女は赤い月の影に確かに潜む恐怖だからである。

  5. 世界におけるカルト
  6.  このカルトは、主に3つの活動を行っている。
     1つ目は、ルナー帝国の人間とトロウルが交流する事を援助すること。
     2つ目は、ルナーの教えに惹かれたトロウルを帝国とルナーの教えに招き入れること。
     3つ目は、ルナーの哲学において、暗黒の神秘と秘密を探求することである。
     ディーゾーラの寺院はそれほど多くはない。七母神が崇められているところでは、大抵社がもうけられているが、それ以上の物は(特にドラゴンパスやプラックスのような辺境では)滅多には見られない。特別な土地や信仰や魔術活動の盛んな都市でのみ、中寺院や大寺院が存在する。社では《影創造》を教えている

  7. 平信者
  8.  七母神の入信者は自動的にこのカルトの平信者と見なされる。ただし、各下位カルトの信徒はそうとは見なされない。それ以外の場合は、収入の5%を捧げることで平信者の資格を得る。
     このカルトの平信者は、おおむね、人間との交流を望むトロウル、もしくはトロウルとの交流を望む人間であるか、入信者に進むための予備段階のどちらかである。
     平信者は、授業料を払うことによって〈トロウル(および暗黒)知識〉と〈暗黒語会話〉〈暗黒語読み書き〉の訓練を受けられる。
     また、友好カルトの料金のルールでカルト精霊魔術を獲得できる。
    精霊魔術: 《暗黒語理解》《魔力検知》《惑い》《棍棒》《抵抗》《暗闇の壁》《第二の目》《除霊》

  9. 入信者
  10.  入信の資格、特典、義務はルーンクエストとグローランサの神々の標準のルールに従う。必要な技能は、〈浄化〉〈メイス攻撃〉〈暗黒語会話〉。加えて、トロウルは〈人間知識〉、非トロウルの場合は〈トロウル知識〉を判定の対象とする。
     入信者は、司祭とルーン王の両方の神性魔術を一回限りで修得できる。しかし、七母神カルト以外からは友好カルトからの精霊魔術と神性魔術の供与はない。なおこの場合は七母神カルトと、その下位カルトはルール上別個のカルトとして考える。

     また、多くの暗黒神のカルトと異なり、炎や鉄に関する制約はないが、この神の信徒はこれらを進んでは使わない。
     なお、ジャーカリールの神性魔術も、他のルナーのカルトの神性魔術と同様に、赤い月の満ち欠けと、グローラインからの影響を受ける。

  11. 月影の魔女(司祭)
  12.  資格、特典、義務は、ルーンクエスト標準のルールに従う。
     月影の魔女は、以下の呪文を再使用可で使え、月影の戦棍の神性魔術を一回限りで使える。また、友好カルトから提供される神性魔術は、指定のある物のみ再使用可で、他は一回限りである。
    一般神性呪文:全て
    特殊神性呪文: 《狂気》《ルナーエレメンタル支配》《シェード支配》《狂気精霊支配》《影創造》《夜目》

  13. 月影の戦棍(ルーン王)
  14.  月影の戦棍は、赤い月の影に潜み、影から敵を殺戮し、あまたの物を奪い取る者である。また、ヤーナファル・ターニルズの戦士と異なり、闇の無慈悲と狂暴性に身を任せた戦士であり、彼らが一般の人々から好まれることはまず無い。
     必要な資格は、〈メイス攻撃〉が90%以上であり、さらに以下の内3つが90%以上であること:〈メイス以外の武器攻撃〉〈隠れる〉〈忍び歩き〉〈武器受け〉〈暗視能力/視力〉〈暗視能力/捜索〉〈聞き耳〉
     その上で、1D100でPOW×3以下を出すことによって判定される試験に合格すること。
     月影の戦棍は、以下の呪文を再使用可で使え、月影の魔女の神性魔術を一回限りで使える。また、友好カルトから提供される神性魔術は、指定のある物のみ再使用可で、他は一回限りである。
     また、月影の戦棍は、神性介入を1D10で行える。
    一般神性呪文: 《聖別》《ジャーカリール礼拝》
    特殊神性呪文: 《無敵》《粉砕》《治癒封じ》《盾》《影創造》《闇歩き》

  15. ジャーカリール特殊精霊呪文
  16. 〈暗黒語理解〉
    可変、残照、受動
     この呪文をかけられた標的は、持続時間の間、暗黒の生物と同じように暗黒語の会話と理解ができ、〈暗黒語会話〉技能に+15%される。
     持続時間はポイント毎に5分間である。なお、この呪文を使うには、最低でも〈暗黒語会話〉が5%なければならず、また、〈暗黒語読み書き〉には影響しない。

  17. ジャーカリール特殊神性呪文
  18. 《影創造》
    アーガン・アーガの同名の呪文と同じである。
    《闇歩き》
    アーガン・アーガの同名の呪文と同じである。
    《夜目》
    カイガー・リートールの同名の呪文と同じである。
    《粉砕》
    ゾラーク・ゾラーンの同名の呪文と同じである。
    《治癒封じ》
    ゾラーク・ゾラーンの同名の呪文と同じである。

  19. 下位カルト
  20. 復讐精霊
     このカルトの復讐精霊は、一種の狂気精霊である。
     この精霊は、2D6+12の魔力ポイントを持ち、精霊戦闘を仕掛けてくる。この精霊は、《精霊遮断》や《除霊》のような呪文の効果を無視する。そして、背信者の魔力ポイントを0にしたなら、その者を占有し、日本語版上級ルールブックの80ページにあるような行為を占有対象に行う。この占有は、背信者が全ての自カルトの神性魔術を放棄するまで続く。
     背信者が精霊戦闘に勝利したなら、次の宗教的ペナルティーを犯すまで、この精霊は2度と訪れない。

  21. 友好カルト
  22. ヤーナファル・ターニルズ
    月影の戦棍に《戦意高揚》を再使用可で提供する。
    イリピー・オントール
    月影の魔女に《魔術分析》、月影の戦棍に《千里眼》を再使用可で提供する。
    ディーゾーラ
    月影の魔女に《反射》、月影の戦棍に《精神破壊》を再使用可で提供する。
    エティリーズ
    月影の魔女と月影の戦棍に《見張り》を再使用可で提供する。
    赤の女神
    月影の魔女と月影の戦棍は通常の手順で自らの神の主人の入信者になれる。
    アニーラ
    このカルトは通常、一切の魔術を提供しない。

  23. 公式サプリメントとの相違について
  24.  ジャーカリールのカルトは、アバロンヒル社のRQサプリメントではデータが存在しない。そのために、この文書は今後の公式の扱いと異なるであろう部分が多い。このカルトを独自に作成するにあたって、ルナー神殿における暗黒カルトとしての能力と、トロウルとの折衝の機能を意図して作製した。
     もっともこれらの状況は、これから発売されるであろう『Soliders of the Red Moon Player Book』『Soliders of the Red Moon GM Guide』『Runequest 4th Edition』によって変化する可能性も高い。


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製作:上西 将文(ハンドルネーム:宇津見)
参考文献・引用:『グローランサの神々』ホビージャパン
『Troll Gods』アバロンヒル
 ルーンクエストはホビージャパン社の登録商標です。

注:この作品はルーンクエストの公式資料ではなく上西将文個人で作成したものです。したがって、Chaosium・AvalonHill・ホビージャパンの公式設定とは全く関係がありません。


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